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自由人の十戒 (From:The Autobiography of B. Russell, v.3, 1967, chap. 14/下記は牧野訳を松下が改訳) 一九五一年十二月、「狂信への最良の解答――自由主義」という論文の末尾に、'古い「十戒」を廃棄する意図からではなく、ただ補足し、広めたい意味から'、「自由人たる精髄」として、次の十項目を発表した。 (原文:A Liberal Decalogue, 1951) (注:「どんなことでも、これでよいと思ってはいけない」と誤訳している例がほとんど/例1 例2) 二、何事も証拠を隠してまでして、物事をはこぶ価値があると考えてはいけない。なぜなら、そういた証拠は必ず明るみに出るものだからだ。 三、成功を確信しても、考え続けることを決してやめてはいけない。 四、反対意見には、家族の反対でも、議論で説得し、権威で勝とうとしてはいけない。権威を使っての勝利は、真の勝利ではなく、単なる幻にすぎないからである。 五、他人の権威を尊重するには及ばない。なぜなら、それが尊敬に値しない権威であると露見するのが普通だからである。 七、自分の意見が並外れたものであっても恐れてはならない。なぜなら、現在当り前と思われている意見はいずれも当初は並外れていたからである。 八、嫌々ながら賛成するよりも、良く分別を働かせて異議を唱える方が良い。なぜなら、もしあなたがあるがままに知性に価値を認めるならば、前者よりも後者の方がより深い同意を意味するからである。 九、たとえ真実が不都合なものであったとしても、どこまでも良心的に真実に忠実であるべきである。なぜなら、もしあなたが本当のことをかくそうとすると、もっと都合が悪いことになるからである。 十、愚者の楽園に暮らす人々の幸福を羨ましがってはいけない。それを幸せだと考えるのは愚か者だけだからである。 |